営業は上司に聞くだけでは上手く行きません!

  • 商売・ビジネスにおいて、営業という部門は重要な位置を占めています。
    なぜなら、どんなに良い商品をもっていても、それを売る力がなければ、お金に換えることができませんからね。

    ここでいう営業とは、ミクロ的な、個別の販売力(セールス)とマクロ的な集客力(マーケティング)のことを言います。

    現代社会は物が溢れ、お客のニーズも多様化し、販売ルートもインターネットやスマホの出現などにより多岐に渡るため、自分が取り扱う商品の市場や商品の特性をきちんと把握し、きちんと売り込んでいなければ、どんなに良い商品であっても、どんなに恵まれた市場であっても、全く営業成績は挙がらない、ということになりかねません。

    さらには、時代の変化もますます速くなっており、営業のやり方について、上司の成功談ももしかしたら既に時代遅れになっている恐れもあります。主観的な根性論についても、それは大事かもしれませんが、客観的なものの見方、つまり、自分が今思う売り方だけにこだわるのではなく、常に、消費者・お客様がどう考えているか、を見つめ直す必要もあります。

    営業は上司に聞くだけでは上手く行きません!

    上司や先輩諸氏の話を聞くことは大いに参考になるでしょう。しかし、それだけではたいていの場合、情報不足。特に新規開拓を行おうとする者にとっては。大切な事は、話を聞いて満足するのではなく、モノを売る、という原点に立ち返って自分でも「考える」事。そして考えるだけで終わるのではなく、実際に「行動」に移すこと。やってみること。

    大事な部分なので、同じことを角度や表現を変えて説明してみますね。



    【A】あなたは①「誰に」②「何を」売りたいのですか?


    例えばゴルフクラブという商品なら、購入者と使用者が同一であることが多いですが、ランドセルという商品の場合は、購入者と使用者はたいてい別です。また、自動車という商品なら少なくとも現物(カタチ)と機能がありますが、保険という商品にはカタチはなく、機能だけがあります。

    そして、同じモデルの自動車でも、他社に先駆けた新機能満載のニューモデルと、モデルチェンジを間近に控えたもの、他、売る時期によって、対象とする商品もお客も売り方も違ってきます。

    だからもしあなたが営業成績を上げたい!新規開拓をしたい!というのであれば、上記のようなこと、つまり、「誰に」「何を」売ろうとしているのかを念頭においておく必要もあり、今自分がこれからやろうとしている「売りたい方法」が必ずしも「売れる方法」とは限らない事にも、くれぐれも注意しなければいけません。それは、やってみなければわからないことかもしれません。

    営業を魚釣りに例えるならば、もしあなたが魚を釣りたいのであれば、あなたが釣りたい時間に、釣りたい場所に、貴方が好きな仕掛けを使う方法、つまり、自分基準に魚釣りをしても、狙った魚は全く釣れません。

    そうではなく、あなたが狙う魚の活性がある時間に、狙う魚がいる場所に、狙う魚が興味を持つ仕掛けを使うこと、つまり魚基準に合わせる必要があるわけで、同様に、もしあなたが自分の商品を売りたいとしたら、その商品をを買ってくれそうな見込み客がたくさんいる場所を探し時間を合わせ、そして商品に興味をもっていただけるような仕掛け、お客基準で行動することが必要ということでもあります。


    【B】お客は「何を」求めているのですか?


    これからあなたが営業をして手に入れようとしているものは、売上や利益といった「お金」。しかし、お金は空から降ってくるものでも、湧いて出てくるものでもなく、「お金は人(お客)が運んでくる」ものであることを忘れてはいけません。だとしたら、もし、あなたがお金を手に入れたいと思うのならば、人(お客)が何を求めているかを明確につかんでおいた方が有利です。例えば、

    「ホームセンターにドリルを買いに来るお客は、
    本当はドリルが欲しいのではなくて、「穴」が欲しいのだ。

    という、マーケティングで有名な言葉があるのですが、【A】あなたが売りたい商品と、【B】お客が本当に求めているもの、とは微妙に認識にズレが存在したりしますので、その見解の違いをどれだけ擦り合わせてマッチングできるか、が、営業の勘所、センスでもあるのです。

    既存客相手のルートセールスなら、お客の欲しいものが既に比較的明確なので、【A】の部分つまり商品知識があればそこへ自分の売りたい商品の適当なものをみつくろうことはそんなに難しいことではありません。しかし新規開拓の場合、見込み客その人と初対面であったり、【B】の部分つまりお客の欲しいもの(ニーズ)が明確に把握できていないケースがほとんどだと思います。だから売れない。そこが、新規開拓は難しいと言われる理由です。

    新規開拓ができる営業マンというのは、このお客のニーズを見つけ出すのが上手なのです。そしてトップセールスマンになると、お客も気づいていないような隠れたニーズをも、引き出したりもします。お客としても想定内のニーズを満たされると普通に「満足」を得るものですが、自分も気づかなかったニーズを発掘されてそれを満足させられたとなると、「大満足」するのですが、そこには「感動」や「感謝」が生まれています。「紹介」をもらえる人は、満足だけではなく感動をお客に与えて、売ってくれたことに感謝の念さえ受けているもの。

    このあたり、勘違いしやすいので付け加えておきますが、例えば「提案営業」という言葉があります。提案営業とは新商品の売り込み営業、という訳ではなく、「提案」する前にまずお客のニーズを発掘することがまず重要ということ。やみくもに提案してまわっても、お客が必要性(ニーズ)を感じない限り、商品を購入するどころか、提案と称した商品説明を聞く耳をもたない、貴方の事を嫌う、というのは、もしかしたら既にあなたも経験済かもしれませんね。アプローチのほんの些細な部分から、大きくセールス結果が異なったりします。

    ・・・

    セールス・マインド~新規開拓営業の極意


    時代や商品が変れば売り方は変わります。それはここまで述べてきました。しかしそういった考え方のベースとなる部分にはやはり、時代や商品が変ろうとも、新規開拓を行っていくうえで必要な、一番大切で全く不変のもの、「セールス・マインド」、心構えといったものがあることにも気づいていただきたい。

    一年や二年といった短い期間の成功であれば、セールス・マインドは一番重要なものだとは限りません。現実的には、それよりもまず、ごちゃごちゃ屁理屈をこねるよりもとにかく「行動」することが一番重要。電話するなどして一件でも多くのアポを取り、一件でも多くの見込み先を訪問する事。悲しいことに、多くの新任営業マンが売れるようになる前に辞めていくのですが、彼らはできない理由を並べ立てて何もしない、あるいは断られるのが嫌であったり、行く先が尽きて、一日公園のベンチでサボっています。それでは売り上げが挙がる訳がありませんね。

    そんな、営業にまわるモチベーションが上がらない、といった時に自分を奮い立たせるものも、「セールス・マインド」ではありますが、そのレベルの営業マンに理解できて語られるほど、セールス・マインドは浅くありません。そんな方はマインドを語る前にまず「行動」してください。

    それにしても、セールス・マインドとか心構えというものは、営業を永く継続、生涯の職業とするためには、一番重要な部分であり、それは、カタチとして目に見えない部分でもあり、このサイトでもっともお伝えしたい部分でもあります。「新規開拓営業の極意」限られた内容ではありますが、10年以上トップセールスマンとしてのキャリアを積み、組織の責任者となった私の経験が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。



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